ジョン・メイナード・ケインズは、イギリスの経済学者、哲学者、政治家、ジャーナリストです。
1883年6月5日にケンブリッジで生まれ、1946年4月21日にロンドンで亡くなりました。
ケインズは、景気循環や失業といった経済の課題を研究し、マクロ経済学の基礎を築きました。今日のマクロ経済学は、ケインズが作り出した学問領域です。
ケインズは、市場経済が自己調整しないと主張し、政府の積極的な介入が経済の安定と成長を促進すると提唱しました。ケインズの主張は、大恐慌(Great Depression)と呼ばれる世界的な経済危機の時期に特に注目され、多くの政策提言が実現されました。
『雇用・利子および貨幣の一般理論』(The General Theory of Employment, Interest and Money)
ケインズの代表作と言ったらこれです。ケインズの本ならまずこれを読まねばなりません。
ジョン・メイナード・ケインズは、この著書を1936年に著しました。この本は、1929年の世界大恐慌を受けて、従来の古典派経済学が失敗したという認識のもと、ケインズが独自に構築した経済理論を体系的に論じています。
ケインズは、従来の古典派経済学が、市場は常に均衡状態にあると仮定していたことを批判しました。ケインズは、市場は必ずしも均衡状態にはないとして、政府による積極的な経済政策が重要であると主張しました。
この本は、ケインズ経済学の基礎を築いた画期的な書物として、世界中で高く評価されています。
日本語訳はいくつか出ています。
日経BPクラシックス-大野一訳(2021年)
講談社学術文庫-山形浩生訳(2012)
岩波文庫-間宮陽介訳(2008年)
堅い本といえば岩波書店。
その岩波書店が出しているケインズの『一般理論』。
東洋経済新報社-塩野谷祐一訳(1995年)
「ケインズ全集」所収のうち「雇用・利子および貨幣の一般理論」普及版を、会社創立100周年記念図書として刊行。全集は1950年刊。今回の訳者は、全集の訳者の子息、装いを新たにした不朽の名著である
内容(「MARC」データベースより)
『一般理論』の解説本、要約本
超訳 ケインズ『一般理論』 (2021年)
『一般理論』を現代的意義に絞って凝縮した本であり、要約本といえます。
ケインズ全集
東洋経済新報社から出版されている『ケインズ全集』。
ケインズの著作を集めて日本語訳したものですが、ボリュームがすごい。
なんと全30巻。
なぜ今ケインズを読むのか?
if you read Adam Smith and if you read Keynes, Ricardo, and then — and if you also read that little book we’ve got out there called “Where Are the Customers’ Yachts?” you will have a lot of wisdom.
Afternoon Session – 2015 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
ウォーレン・バフェットが述べているように、現代のビジネスパーソンがケインズの著作を読むことは有益です。以下にその理由をいくつか挙げます。
- 経済の理解:ケインズの著作を読むことで、ビジネスパーソンはマクロ経済の基本原理や要素を理解することができます。需要と供給、インフレーション、失業など、経済の概念や指標に関する洞察を得ることができます。
- 経済の変動に対する理解:ケインズは景気変動や不況に対するアプローチを提案しました。ケインズの理論は、需要の不足や財政政策の重要性を強調しています。ビジネスパーソンは、ケインズのアイデアを通じて景気変動や不況の影響を理解し、自社の戦略や意思決定に反映させることができます。
- 政府の経済政策の理解:ケインズの著作は、政府の経済政策や財政政策の役割についても言及しています。ビジネスパーソンがケインズの理論を理解することで、政府の規制、税制、公共支出などがビジネスに与える影響を予測し、適切な戦略を策定することができます。
- 経済の心理要因への洞察:ケインズは、経済の意思決定における心理的要因にも注目しました。ビジネスパーソンがケインズのアイデアを学ぶことで、消費者の行動や市場の動向に影響を与える期待や信頼の変化を理解することができます。
ケインズの著作は経済学の一側面を示しているだけであり、ビジネスにおいては多様な視点が存在します。しかし、ケインズの理論を学ぶことは、グローバル市場の複雑さに立ち向かうビジネスパーソンにとって、経済力学や政策の理解を広げる上で有益な要素となります。
「経済学なんてさっぱりわからない」という人は以下記事中の素材を使って勉強しましょう。