ウォーレン・バフェットがおすすめした書籍集です。
本記事ではバフェットの推奨発言の裏付けのあるものを紹介しています。
「バフェット 本 おすすめ」とかで検索するといろんなサイトが出てきます。そのサイトの中ではバフェットが勧めているという書籍の一覧が紹介されています。
しかし、「本当にバフェットが勧めた本なの?いつどこでおすすめしてたの?」という疑問が生じました。
ということで、作った書籍リストです。
順番に関して、バフェットのおすすめ度の高いものを上に配置するようにしました。
【日本語版あり】バフェットによるおすすめ本
ラッキーなことに日本語訳バージョンが発売されているバフェット推奨本は以下のとおりです。
ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家』
賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法
新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》 (ウィザードブックシリーズ)
バフェットが勧める本といえばこの本です。バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムの書籍。
日本語版では「賢明なる投資家」と「新賢明なる投資家」の2種類があります。
「新賢明なる投資家」は、ジェイソン・ツバイクの解説が多くて邪魔だという意見もありますが、新しいのは「新」の方なので、「新」を選ぶべきでしょう。ツバイクの意見が不要なら読み飛ばせばOK。
(株主への手紙の中での)投資に関する議論の多くを1949年に購入したベンの著書 『賢明なる投資家』から学びました。その購入によって、私の金融面の人生は変わったのです。
I learned most of the thoughts in this investment discussion from Ben’s
(株主への手紙2013年、20ページ)
book The Intelligent Investor, which I bought in 1949. My financial life changed with that purchase.
これまで行った全投資の中で、ベンの本を買ったことが最高の投資でした(2回の結婚を除きます)。
Of all the investments I ever made, buying Ben’s book was the best (except for my purchase of two marriage licenses).
(株主への手紙2013年、21ページ)
1993年のバークシャーの年次総会でもバフェットは『賢明なる投資家』を勧めています。
投資に関する読むべき優れた本を尋ねられて、バフェットはいつものように『賢明なる投資家』(パンローリング)を挙げた
(ダニエル・ペコー=コーリー・レン『バフェットとマンガーによる株主総会実況中継 バークシャー・ハサウェイから投資に必要な知恵のすべてを学んだ (ウィザードブックシリーズ)』(パンローリング、2020年6月)110ページ)
私の投資哲学の礎は、ベン(ベンジャミン・グレアム)が著した『賢明なる投資家』の第8章「投資家と株式市場の変動」と第20章「投資の中心的概念」に、ほぼすべてが書いてあると言っても過言ではないでしょう。この本は、人生最高の一冊です。
W・バフェット「必ず儲かる法則を教えよう」【1】 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
上記は2011年11月にバフェットが初めて来日した際のインタビュー記事です。その『賢明なる投資家』について語られていますが、株主への手紙で同じ内容が書かれています。
バフェットは、『賢明なる投資家』の序文に寄稿し、同書とその著者であるベンジャミン・グレアムを大絶賛しています。その序文は、日本語版出版社のパンローリングのウェブサイトで誰でも読めます。
▶ 新賢明なる投資家 上~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~《改訂版――現代に合わせた注解付き》 (ウィザードブックシリーズ)
ベンジャミン・グレアム『証券分析』
Security Analysis: The Classic 1940
ベンジャミン・グレアムのもう1冊の本『証券分析』。
『賢明なる投資家』と並ぶバフェットのオールタイムベスト2冊。
証券分析 【1934年版第1版】 (ウィザードブックシリーズ 44)
この本(日本語版)の問題点は2つ。
- 長い(1000ページ)
- 最新版(第5版)でも第2版でもない
バフェットは、1940年版(第2版)を勧めています。
フィリップ・フィッシャー『株式投資投資で普通でない利益を得る』
株式投資で普通でない利益を得る (ウィザードブックシリーズ)
(原題:Common Stocks and Uncommon Profits)
バフェットの中で不動の第3位の投資書籍がこの本です。
真剣な投資家のオールタイムベストの書籍一覧において、『株式投資で普通でない利益を得る』より上位にランクインするのは『賢明なる投資家』と1940年版の『証券分析』2冊だけです。
(Common Stocks and Uncommon Profits, a book that ranks behind only The Intelligent Investor and the 1940 edition of Security Analysis in the all-time-best list for the serious investor.)
(手紙2012、21ページ)
1995年の年次総会のQAセッションでもフィル・フィッシャーから多大な影響を受けたと述べています。
フィル・フィッシャーの2冊の本を初めて読んだ時、私は非常に影響を受けました。1960年頃のことでした。その2冊は素晴らしい本だと思いますし、フィルは素晴らしいと思います。
(Afternoon Session – 1995 Berkshire Hathaway Annual Meeting)
(I was very influenced by Phil Fisher when I first read his two books, back around 1960 or thereabouts. And I think that they’re terrific books, and I think Phil is a terrific guy.)
▼フィリップ・フィッシャーの本
ローレンス・A・カニンガム『バフェットからの手紙』(パンローリング、第5版、2021年)
バフェットは、バークシャーの投資哲学を学ぶための書籍として、バークシャーのアニュアルレポート(年次報告書)を勧めるとともにこの本を勧めました。
ラリー・カニンガムは、バークシャーで書かれたさまざまなことを再構築し、私たちの哲学を最もよく整理した上でそれを提示してくれたと思います。
I think Larry Cunningham, the fellow who held the symposium at the Cardozo School at Yeshiva, did the best job, actually, of sort of reconstructing the various things that have been written at Berkshire into sort of the best-organized presentation of our philosophy.
Afternoon Session – 1998 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
この本は、過去のバフェットからの株主宛ての手紙を分野別に構成したものです。
マンガーも短くこの本を褒めています。
とても実用的な本です。
It’s a very practical.
Afternoon Session – 1998 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
そしてさらにバフェットがこの本を褒めて紹介を締めています。
ラリーはとてもいい仕事をしてくれました。私が関与したわけではありませんが、私が毎年書いてきたことや、チャーリーが何度も書いてきたことを、トピックごとに整理するという一流の仕事で仕上げられています。(バークシャーの投資哲学を学ぶために)私が読むべき本を一つ選ぶとしたら、おそらくこれでしょう。
And Larry did a very good job. You know, I had nothing to do with it, but I think that that — I really think he’s done a first-class job of sort of organizing by topic, I mean, all these things that I’ve sort of written annually and Charlie’s written over time. So that would be — that would probably be my — if I were picking one thing to read, that would probably be the one.
Afternoon Session – 1998 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
バフェット大激賞の一冊です。
フィル・ナイト『SHOE DOG(シュードッグ) 』(東洋経済新報社、2017年)
原題:Shoe Dog: A Memoir by the Creator of NIKE
創業者が書いたナイキの創業物語。
昨年(2015年)に読んだ本の一番は、ナイキのフィル・ナイトの『シュードッグ』です。フィルは、非常に賢く、知性的、競争であり、天性のストーリーテラーでもあります。
The best book I read last year was Shoe Dog, by Nike’s Phil Knight. Phil is a very wise, intelligent and competitive fellow who is also a gifted storyteller.
(株主への手紙2016年、27ページ)
バフェットが絶賛しています。2016年より後の株主への手紙ではバフェットはあまり積極的におすすめ本の紹介をしなくなっていますので、これはバフェットの手紙で最後に絶賛された最新の本です。
フレッド・シュエッド・ジュニア『投資家のヨットはどこにある?』(パンローリング、2010年)
(原題:Where Are the Customers’ Yachts? Or a Good Hard Look at Wall Street by Fred
Schwed, Jr.)
この本についてのバフェットのコメント。2014年と2006年に株主への手紙で紹介されています。
フレッド・シュエッドの素晴らしい本。
その知恵とユーモアはプライスレスです。
(Fred Schwed’s wonderful book. Its wisdom and humor are truly priceless.)
(株主への手紙2014年、6ページ)
1940年に初版が出版され、現在(2007年当時)は第4版まで出版されています。
投資について書かれた本のなかで最も面白おかしく書かれた本であり、投資に関して多くの本当に重要なメッセージを軽いタッチで提供してくれます。(This book was first published in 1940 and is now in its 4th edition. The funniest book ever written about investing, it lightly delivers many truly important messages on the subject.)
(株主への手紙2006年、23ページ)
2019年のバークシャーの年次総会の展示会場で配布されていた書籍リストでの紹介文は以下のとおりです。
「ユーモラスで面白いこの本は、ウォールストリートの愚かさと偽善を明らかにします。賢明な逆張りのアドバイスが満載で、ブローカーが金持ちになる一方で顧客が破産するという投資の世界の真の姿を提供するこの本は、ウォールストリートの現実に対して投資家の目を開かせ続けています」
Where Are the Customers’ Yachts? or A Good Hard Look at Wall Street (Wiley Investment Classics)
アンドリュー・S・グローブ『パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのか』(日経BP、2017年9月)
原題:Only the Paranoid Survive
インテルの元CEOであるアンディ・グローブの著書です。
バフェットは、1997年の年次総会の午前の部でこの本を勧めていました。
アンディ・グローブは『パラノイアだけが生き残る』という素晴らしい本を書いており、戦略的変曲点について述べています。皆さんにもぜひ読んでいただきたい素晴らしい本です。
Andy Grove has written a terrific book, incidentally, “Only the Paranoid Survive,” which describes strategic inflection points. I recommend that every one of you read that book, because it is a terrific book.
Morning Session – 1997 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
バフェットは、1998年の年次総会でもこの本の内容を一部要約引用しています。バフェットにとって印象に残る記述だったのだと思われます。
アンディ・グローブは、著書『パラノイアだけが生き残る』の中で、競合他社に対する銀の弾丸について述べています。つまり、もし銀の弾丸が1つしかないとしたら、どの競合他社に向けて発射するのか、という観点です。
Andy Grove, in his book “Only the Paranoid Survive,” talks about the silver bullet for a competitor. So in terms of, if you only had one silver bullet, which competitor would you fire it at?
Morning Session – 1998 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
キャサリン・グラハム『キャサリン・グラハム わが人生』(ティビーエスブリタニカ、1997年)
バフェットの親友でもあったワシントンポストの社主のキャサリン・グラハムの自伝。
自伝を書いていたとは。
グラハムさんは、夫が急逝したことで経営経験全くゼロから曲者ジャーナリス揃いのワシントン・ポストのトップに就くことになった波瀾万丈人生を送った人です。
バフェットは1999年の年次総会でこの本をおすすめしています。
キャサリン・グラハムの自伝(”Personal History”)をまだ読んでいないなら、ぜひ読んでみてください。
とても正直な本です。そして魅力的な物語です。政治やビジネス、行政の世界で、あらゆることを見てきた人生。私はとてもいい本だと思います。
I would recommend — many of you have may have read it, but this goes back more than a year, but I would — if you haven’t read Katharine Graham’s autobiography [“Personal History”], it is one terrific book.
It’s a very incredibly honest book. And it’s a fascinating story. I mean, it’s a life that’s seen all kinds of things in politics and in business and in government. So I — it’s a great read.
Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
2001年の年次総会の午後の部でも再度この本をバフェットは勧めています。
以前にもお薦めしたかもしれませんが、キャサリン・グラハムの『パーソナル・ヒストリー』をまだ読んでいないなら、魅力的な物語だとわかってもらえると思います。この本の素晴らしいのは、正直な語り口です。
もし私が自伝を書いたら、アーノルド・シュワルツェネッガーみたいになりそうです(笑)。
でも、彼女は何が起こったのか、強制的に正直に語っています。これこそ真の武勇伝です。
I may have recommended it before, but if you haven’t read “Personal History” by Katharine Graham, I think you’d find that it’s a fascinating story. And more amazing yet, it’s an honest story.
You know, if I ever write my autobiography, I’m going to look like Arnold Schwarzenegger.
But she is compulsively honest about what’s happened. And it’s really quite a saga.
Afternoon Session – 2001 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
マンガーも「良い本です」と短くコメントしています。
It is a good book.
Afternoon Session – 2001 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
ポール・A・ボルカー=クリスティン・ハーパー『ボルカー回顧録: 健全な金融、良き政府を求めて』(日本経済新聞出版、2019年)
原題:Keeping At It: The Quest for Sound Money and Good Government (English Edition)
2020年のバークシャーの年次総会でバフェットはこの本を勧めていました。
I’ve always had Paul Volcker up on a special place, special pedestal in terms of Federal Reserve chairmen over the years. We’ve had a lot of very good Fed chairmen, but Paul Volcker, I had him at the top of the list.
Not much before [Volcker] died, he wrote a book called ‘Keeping At It. I think you’ll enjoy reading that book.
(2 books Warren Buffett recommends reading now)
https://youtube.com/watch?v=69rm13iUUgE%3Ffeature%3Doembedwww.youtube.com
2時間36分20秒くらいのところから、ポール・ボルカーについての評価と本の紹介が始まります。
ジョン・ボーグル『インデックス・ファンドの時代―アメリカにおける資産運用の新潮流』(東洋経済新報社、2000年)
インデックス・ファンドの投資に絶大なる貢献をした伝説の人物であるジョン・ボーグルの書いたインデックスファンドに関する本をバフェットは1999年の年次総会で勧めています。
ここ数ヶ月で投資の世界で出版された本の中で、私が皆さんにお勧めしたいのは、ジャック・ボーグルの『インデックス・ファンドの時代』です。
ジャックは正直な人で、ビジネスのことをよく知っています。投資信託の投資家が彼の言うことを聞けば、年間何十億ドルも節約できるでしょう。彼はそれをありのままに伝えています。私は依頼されて喜んでこの本の紹介を喜んで提供しました。
A book that came out just in the last few months in the investment world that I would certainly recommend to everybody is “Common Sense on Mutual Funds,” by Jack Bogle.
Afternoon Session – 1999 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
Jack is an honest guy, and he knows the business. And if mutual fund investors listen to him, they would save billions and billions of dollars a year. And he tells it exactly like it is. So I — he asked me for a blurb on the book, and I was delighted to provide it.
ロバート・P・マイルズ『最高経営責任者バフェット~あなたも「世界最高のボス」になれる』(パンローリング、2003年)
原題:The Warren Buffett CEO: Secrets from the Berkshire Hathaway Managers by Robert P. Miles
2002年の年次総会午前の部で勧められていた本。
ボブ・マイルズが出した本には、バークシャーの資本を扱う人たちのことが書かれている。これ以上のグループはないと思います。もし彼らのことを読みたくなったら、ボブはいいインタビューをしていますから、ぜひ読んでみてください。チャーリーと私が書いたものを読むだけよりも、マネージャーたちのことを読んだ後の方が、自分の投資がもっと好きになると思いますよ。
I’ll recommend a book which may sound a little self-serving, but it nevertheless — I think — I think this group, many of you would enjoy reading about the Berkshire managers.
And Bob Miles has brought out a book and it tells about the people who are handling your capital. And, I don’t think you could have a — well, I know you couldn’t have a better group.
And so therefore, if you feel like reading about them, I would — Bob has done a good job of interviewing — and I would encourage you to read about them.
And I think you’ll like your investment better after you read about the managers than if you just read what Charlie and I write.
Morning Session – 2002 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
ジョン・K・ガルブレイス『大暴落1929』(2008年、日経BP)
原題:The Great Crash 1929 (English Edition)
1954年初版の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスの著作。バフェットは、ガルブレイスの言葉をちょくちょく引用します。
バフェットは、2020年の年次総会でこの本に言及していました。
1929年の大暴落についてジョン・ケネス・ガルブレイスの『The Great Crash』という偉大な本があります。素晴らしい本です。
There’s a great book about it called ‘The Great Crash’ by John Kenneth Galbraith.
It’s “a wonderful book.
(2 books Warren Buffett recommends reading now)
ウィリアム・N・ソーンダイク・ジュニア『破天荒な経営者たち』(パンローリング、2014年)
破天荒な経営者たち ──8人の型破りなCEOが実現した桁外れの成功 (ウィザードブックシリーズ)
投資家である著者が成功した8つの会社とその経営者を細かく分析し、そのパフォーマンスを明らかにした本。
紹介されている8人の経営者/8社の会社は以下のとおり。
- トム・マーフィーとキャピタル・シティーズ・ブロードキャスティング
- ヘンリー・シングルトンとテレダイン
- ビル・アンダースとゼネラル・ダイナミクス
- ジョン・マローンとテレコミュニケーションズ
- キャサリン・グレアムとワシントン・ポスト
- ビル・スティーリッツとラルストン・ピュリーナ
- ディック・スミスとゼネラル・シネマ
- ウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイ
バフェットも含まれています。
バフェットの本書についての評は以下のとおり。
「本書は、資金配分に優れたCEOに関する傑出した本。これまで会ったビジネスマネージャーで最も優れた人物であるトム・マーフィーに関する洞察に満ちた章が含まれている」
(The Outsiders, by William Thorndike, Jr., is an outstanding book about CEOs who excelled at capital allocation. It has an insightful chapter on our director, Tom Murphy, overall the best business manager I’ve ever met. )
(手紙2012年、22ページ)
ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』(岩波書店、2008年)
(原題:The General Theory of Employment, Interest, and Money by John Maynard Keynes)
経済学者ケインズの超有名な書籍。
バフェットはこの書籍を短くこう評しています。
優れた著書(his masterful)
(手紙2004年、21ページ)
また、バフェットは、1995年の年次総会(午前27)で、株式投資についてのケインズの考えについて質問され、この本を勧めています(Morning Session – 1995 Berkshire Hathaway Annual Meeting)。
ロバート・ルービン=ジェイコブ・ワイズバーグ『ルービン回顧録』(日本経済新聞出版、2005年)
原題:In an Uncertain World: Tough Choices from Wall Street to Washington
アメリカの財務長官の本。
他にお勧めしたい本は、ベサニー・マクレーンとピーター・エルカインドの「The Smartest Guys in the Room」とボブ・ルービンの「In an Uncertain World」の2冊です。この3つはいずれもレポートが充実していて、よく書かれています。
(Two other books I’d recommend are The Smartest Guys in the Room by Bethany McLean and Peter Elkind, and In an Uncertain World by Bob Rubin. All three are well-reported and well-written. )
(手紙2003年、21ページ)
キャロル・ルーミス『完全読解 伝説の投資家バフェットの教え』(朝日新聞出版、2014年)
(原題:Tap Dancing to Work: Warren Buffett on Practically Everything, 1966-2013)
この本は、バフェットの見解を知る上でかなりおすすめの本です。バフェットの株主への手紙が一部含まれているだけでなく、バフェットが新聞に寄稿した記事等も紹介されているからです。
そして、バフェット関係の本として著者のキャロル・ルーミスは最高峰の人物です。フォーチュン誌の編集者であり、1977年からバフェットの手紙の校正をずっと続けてきた人物なのです。
編集者の手が入っているということから、バフェットの手紙の文章は、本人の文章力に加えてプロのエディターの目が加わり、素晴らしい文章に仕上がっています。
1977年以来この手紙を編集する上で私にとって非常に貴重な人物であるキャロル・ルーミスは、最近『完全読解 伝説の投資家バフェットの教え』を出版しました。
(Carol Loomis, who has been invaluable to me in editing this letter since 1977, has recently authored Tap Dancing to Work: Warren Buffett on Practically Everything.)
(手紙2012年、22ページ)
【未翻訳】バフェット推奨の洋書
日本語に翻訳されていない書籍です。
Common Stocks As Long Term Investments by Edgar Lawrence Smith
とても古い本。初版は1924年。
バフェットは1997年の年次総会の午後の部でこの本を勧めています。
Edgar Lawrence Smith in 1924 wrote a fine book on why stocks were better than bonds. And that was sort of the Bible of the bull market of the ’20s, and it made sense, if you paid attention to a couple of the caveats which were in Edgar Lawrence Smith’s little book, which related to price.
Morning Session – 1997 Berkshire Hathaway Annual Meeting (cnbc.com)
But people tend to forget about the importance of the price they pay as the experience of a bull market just sort of dulls the senses generally.
A Piece of the Action: How the Middle Class Joined the Money Class by Joseph Nocera
1994年に発売されたクレジットカードの歴史についての本。
クレジットカードについて説明しただけでなく「お金の動きがわかるようになる」「人間の背景を非常に興味深く捉えている」とバフェットとマンガー二人そろって大絶賛の本です。
1995年の年次総会で紹介されていました。
その2人の会話。
バフェット:その本の名前は?
マンガー:忘れた。見事な本だ。
バフェット:そう、素晴らしい本だ。
マンガー:モリーなら覚えているかもしれない。モリー、私にくれた本は何だった?クレジットカードの歴史について本。
バフェット:ジョー・ノセラ?そうだ、ジョー・ノセラの本だ。タイトルは思い出せないが(注 “A Piece of the Action: How the Middle Class Joined the Money Class”)、半年から一年くらい前に発売された本だ。クレジットカードビジネスの驚異的な歴史についてのものです。
それを読めば、お金の動きのようなものにどれだけの変化が起こるかが分かると思います。20年後に別の版があれば、もっと多くのことが書かれているでしょう。マンガー:非常によい本です。ここにいる人たちのほとんどは、それをけなすことはできないでしょう。経済発展についての本としては、人間の背景を非常に興味深く捉えています。
WARREN BUFFETT: What’s the name of that book?
CHARLIE MUNGER: You know, I’d forgotten, that’s a marvelous book.
WARREN BUFFETT: Yes, there’s a great book.
CHARLIE MUNGER: Maybe Molly remembers. What was that book you gave me? It was the history of the credit card.
WARREN BUFFETT: Was it Joe Nocera’s? Yeah, Joe Nocera was the author. I don’t remember the title [“A Piece of the Action: How the Middle Class Joined the Money Class”]. But it came out about six months to a year ago. It’s a terrific history of the credit card business.
And if you read that you will get some idea of the amount of change that can occur in something like, you know, the movement of money. And my guess is that if there’s another edition of it in 20 years, there’ll be plenty more to write about. So —
CHARLIE MUNGER: By the way, that is a fabulous book. Most of the people who are here will not be able to put it down. I mean, for a book about an economic development, it captures the human background in a very interesting way.
(”39. Expect big changes in banking over next 20 years,” Afternoon Session – 1995 Berkshire Hathaway Annual Meeting)
World Book
https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.worldbook.com%2Fworld-book-encyclopedia-2021.aspxwww.worldbook.com
これは百科事典です。
バフェットとマンガーが1995年の年次総会でおすすめしていました。
特にマンガーが熱心に推奨していました。
マンガー曰く、
バークシャー・ハサウェイの株券でいっぱいの金庫を持っているものの、World Bookを持っていない子供や孫があなたにいるとしたら、あなたは深刻な過ちを犯しています。
(if any of you have safety deposit boxes full of Berkshire Hathaway certificates, and have children or grandchildren who don’t have World Book in print in the house, you are making a very serious error. That is a marvelous thing for — to have in the house with —)ぜひ買うべき。
(That is one product you really ought to buy)
バフェットもこれにこう乗ります。
私たちは2人とも個人的に使っています。会社に1セット、家に1セット置いていて、よく使います。
(We both use it, personally. I mean, I keep a set at the office, and a set at home. And I use it a lot.)
Bull! : A History of the Boom and Bust by Maggie Mahar
Bull: A History of the Boom and Bust, 1982-2004
投資家が多くのことを学べる2003年の本は、マギー・マハーの『ブル!』です。
A 2003 book that investors can learn much from is Bull! by Maggie Mahar.
(手紙2003年、21ページ)
The Smartest Guys in the Room by Bethany McLean and Peter Elkind
The Smartest Guys in the Room: The Amazing Rise and Scandalous Fall of Enron (English Edition)
エンロンについての本。
他にお勧めしたい本は、ベサニー・マクレーンとピーター・エルカインドの「The Smartest Guys in the Room」とボブ・ルービンの「In an Uncertain World」の2冊です。この3つはいずれもレポートが充実していて、よく書かれています。
(Two other books I’d recommend are The Smartest Guys in the Room by Bethany McLean and Peter Elkind, and In an Uncertain World by Bob Rubin. All three are well-reported and well-written. )
(手紙2003年、21ページ)
Jamie Dimon’s letter to shareholders (J.P. Morgan)
「JPモルガンのジェイミー・ダイモンの株主宛の手紙を読むことをおすすめします」
(”I recommend that you read his annual letter.”)
ーウォーレン・バフェット(株主への手紙2011年)CEO Letters – Annual Report 2019 | JPMorgan Chase & Co. https://t.co/7sPy9Fu2GJ @Chaseさんから
— にゃんがー@外資弁護士サラリーマン (@Nyanger_b) 2020年4月30日
ジェイミー・ダイモンは、JPモルガンのCEOです。ウォーレン・バフェットはダイモンのファンだそうです。
このダイモンの手紙は、なんとプロのナレーターの読み上げもあります。
英語の勉強になるではないか。
▶ JPモルガンのウェブサイト(ジェイミー・ダイモンの手紙を含む過去のannual reportのページ)
Benjamin Graham on Value Investing: Lessons from the Dean of Wall Street by Janet Lowe
Benjamin Graham on Value Investing: Lessons from the Dean of Wall Street
1994年、1995年の年次総会でバフェットがおすすめしていました。
ベンジャミン・グラハムの伝記。
読んでみましたが、投資に興味がある人は絶対に楽しめると思います。ベンを上手に捉えてくれています。
I’ve read it and I think those of you who are interested in investments, for sure, will enjoy it. She’s done a good job of capturing Ben.
( Morning Session – 1994 Berkshire Hathaway Annual Meeting37. Book recommendations)
彼女(ジャネット・ロウ)はベン・グラハムについてとても良い本を書いています。まだ読んでいない人には、ぜひ一冊買ってみることをお勧めします。
(Morning Session – 1995 Berkshire Hathaway Annual Meeting 29. Best edition of Ben Graham’s “Security Analysis”)
She wrote a very good book on Ben Graham. I recommend that any of you that haven’t read it, go out and buy a copy.
The People v. Clarence Darrow: The Bribery Trial of America’s Greatest Lawyer by Geoff Cowan
The People v. Clarence Darrow: The Bribery Trial of America’s Greatest Lawyer
1994年の年次総会で紹介されていた本。
1912年頃のロサンゼルスでの陪審員贈収賄のクラレンス・ダロウ裁判の話です。マクナマラ兄弟がLAタイムズ紙を 爆破した時です。魅力的な本です。著者のジェフは、ダロウの以前の伝記にはなかった多くの情報を明らかにしています。楽しめると思いますよ。
It’s the story of the Clarence Darrow trial for, essentially, jury bribery in Los Angeles back around 1912, when the McNamara brothers had bombed the LA Times. It’s a fascinating book. Geoff uncovered a lot of information that the previous biographies of Darrow didn’t have. I think you’d enjoy that.
(Morning Session – 1994 Berkshire Hathaway Annual Meeting37. Book recommendations)
The risk that won’t go away by Carol J. Loomis
The risk that won’t go away – Sep. 25, 2008
(Fortune magazine) — This story originally ran on March 7, 1994.
これは、デリバティブに関する記事です。
バフェットは、1994年の年次総会でデリバティブについての質問を受け手、すぐにこの記事を紹介しました。
1ヶ月ほど前にフォーチュン誌にキャロル・ルーミスのデリバティブに関する記事がありましたが これまでに書かれた記事の中では 圧倒的に最高のものです
(Morning Session – 1994 Berkshire Hathaway Annual Meeting、11. DERIVATIVES: DANGEROUS COMBINATION OF “IGNORANCE AND BORROWED MONEY”)
“Question is about derivatives. We have in this room the author of the best thing you can read on that. There was an article in Fortune about a month ago or so by Carol Loomis on derivatives, and far and away it’s the best article that has been written.”
The Clash of the Cultures by Jack Bogle
The Clash of the Cultures: Investment vs. Speculation
バンガード創設者のジョン・ボーグルの書籍。ボーグルは、個人投資家向けに低コストのインデックスファンドを広めるのに大いに尽力した人物です。
その功績を称え、バフェットは、ボーグルを「アメリカ人投資家と私にとってのヒーロー」といって2016年版株主への手紙の中で大絶賛しました。
そんなボーグルの上記書籍は、次のようにさらっとお勧めされていました。
ジャック・ボーグルの『The Clash of the Cultures』もおすすめします。
I also recommend The Clash of the Cultures by Jack Bogle
(手紙2012年、22ページ)
Investing Between the Lines by Laura Rittenhouse
上記のジョン・ボーグルの”The Clash of the Cultures”と一緒に勧められていた本。
ジャック・ボーグルの『The Clash of the Cultures』とローラ・リッテンハウスの『Investing Between the Lines』もおすすめします
I also recommend The Clash of the Cultures by Jack Bogle and Laura Rittenhouse’s Investing Between the Lines.
(手紙2012年、22ページ)
Poor Charlie’s Almanack
Poor Charlie’s Almanack: The Wit and Wisdom of Charles T. Munger Expanded Third Edition
チャーリー・マンガーについての本の決定版。でかい。
この本は中国語版があるらしい。やるな中国。
私のパートナーについての定番の1冊
“the ever-popular book about my partner.”
(手紙2010年、24ページ)
この本は出版業界の奇跡です–決して宣伝されていませんが、年を追うごとにインターネットサイトから何千部も売れています。
This book is something of a publishing miracle – never advertised, yet year after year selling many thousands of copies from its Internet site.
(株主への手紙2009年、18ページ)
Berkshire Hathaway Letters to Shareholders: 1965-2014, collected by Max Olson
Berkshire Hathaway Letters to Shareholders
株主への手紙2013年でこの本は次のように紹介されていました。
この本は、個人、企業、および題目のページ番号を特定する便利な索引が含まれています。
(The book includes an index that I find particularly useful, specifying page numbers for individuals, companies and subject matter. )
A Few Lessons for Investors and Managers From Warren Buffett by Peter Bevelin
A Few Lessons for Investors and Managers from Warren E. Buffett
この本は株主への手紙の中で題名が明示はされていませんでした。
ピーター・ベヴリンがバークシャーの投資と運営原則を説明した薄い本も気に入っていただけると思います。 それは、チャーリーと私が年次報告書や年次総会で長年にわたって言ってきたことを要約しています。
“I think you’ll also like a short book that Peter Bevelin has put together explaining Berkshire’s investment and operating principles. It sums up what Charlie and I have been saying over the years in annual reports and at annual meetings.”
(株主への手紙2011年、20ページ)
Forty Chances by Howard Buffett
Forty Chances: Finding Hope in a Hungry World
バフェットの息子(長男)が書いた本。
私の息子ハワードの本もおすすめします。気に入ってもらえると思います。
(I also recommend Forty Chances by my son, Howard. You’ll enjoy it.)
(株主への手紙2013年、22ページ)
FRAGILE: The Human Condition by Howard Buffett
これもバフェットの長男であるハワード・バフェットの著書。
Howard’s Fragile, a volume filled with photos and commentary about lives of struggle around the globe
(株主への手紙2009年、18ページ)
Life Is What You Make It: Find Your Own Path to Fulfillment by Peter Buffett
Life Is What You Make It: Find Your Own Path to Fulfillment (English Edition)
バフェットの次男であるピーター・バフェットの著書。
Completing the family trilogy will be the debut of my sister Doris’s biography, a story focusing on her remarkable philanthropic activities.
(株主への手紙2009年、18ページ)
Seeking Wisdom: From Darwin to Munger by Peter Bevelin
Seeking Wisdom: From Darwin to Munger 3rd Edition
株主への手紙2006年で紹介されていた本。著者は長年バークシャーの株主のスウェーデン人。手紙中では特にこの本についてのコメントは書かれていませんでした。
2019年のバークシャーの年次総会の書籍リストでは以下のように紹介されています。
“Seeking Wisdom is the result of Bevelin’s study about attaining wisdom. Bevelin cites an encyclopedic range of thinkers and describes ideas and research findings from many different fields. Using exemplars of clear thinking and attained wisdom, Bevelin focuses on how our thoughts are influenced, why we make misjudgments and tools to improve our thinking.”