株式投資でフルポジションは避けて現金を保持するのが大勝のコツ

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株式投資において、フルポジションを避け現金を適切に保持することは、大きな利益を上げるための賢明な戦略です。

投資家は常に臨機応変に動ける準備をしておく必要があります。株式市場は変動が激しく、予期せぬ事態が起こる可能性があるためです。もしポートフォリオがすべて株式で固定されていれば、投資家は機会損失を被る可能性が高くなります。一方、現金を十分に保有していれば、いつでも魅力的な投資機会に乗じることができます。

また、現金を確保しておくことで、下落相場で魅力的な株を買い増すチャンスが生まれます。この”平均を下げる買い増し”の戦術は、長期的に大きな利益を生むことが知られています。しかし、現金がなければこの戦術は使えません。

この「現金を残しておいて下落時に買う」作戦は、日米のレジェンド投資家が勧める重要なものです。

目次

日米の著名投資家は投資では現金を残すことを勧めている

チャーリー・マンガー「現金を持っておくことが金持ちになる秘訣」

バフェットの盟友であったチャーリー・マンガーは、以下のように言っています。

金持ちになる秘訣は、投資の好機が訪れたときにすぐに行動を起こせるように、いつでも小切手口座に1000万ドルの残高を持っていることだ。
ーチャーリー・マンガー

デビッド・クラーク『マンガーの投資術』(日経BP社、2017年)48ページ

1000万ドルも持っている人はそういないと思いますが、相場が大きく下落して、本質的価値よりも下がったよい株を大量に買えるように現金は常にある程度残しておくべきというアドバイスです。

著:デビッド・クラーク, 翻訳:石川 由美子, 読み手:林 康史
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清原達郎「手持ちの金を全額株式につぎ込まない」

清原さんは、伝説的なファンドマネージャーであり、日本の株式市場で非常に成功した投資家です。

2005年に発表された高額納税者名簿(長者番付)で、清原さんは全国トップに躍り出ました。納税額は約37億円で、推定年収は約100億円とされています。

この清原さんも現金を残しておくことが重要であると著書の中で述べています。

「手持ちの金を全額株式につぎ込まない」ことが重要です。万が一の株式市場の暴
落の際に、株を買うお金が少しは残っているようにしないと。

清原達郎『わが投資術』(講談社、2024年3月)143ページ

清原さんが得意とする投資スタイルは、割安小型株への投資です。

割安株を発見したときにそれを買う現金がないと仕込み量が減り、大勝ちが難しくなります。

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投資における現金保有とフルポジションについての留意点

現金を持っていればそれだけで儲かるわけではありません。

どの程度現金を持っておくかは、各投資判断において重要なものです。

(1) 生活資金と投資待機余裕資金は別

本記事で述べている「現金をとっておけ」という場合の現金とは、あくまで投資用の資金であって、生活余裕資金のことではありません。

したがって、2種類の資金を保持しておくべきで、投資用資金はやや集めにもっておけ、というのがアドバイスです。

生活用資金+投資用待機資金

(2) 放ったらかし積立投資家はフルポジがよい

投資用待機資金を持つべきなのは、アクティブ投資家です。

毎月一定額を投資するだけのパッシブ投資家は、投資用待機資金を持つ必要はありません。むしろ持たない方がいい。

何も考えずになるべく多くの資金を投資に回すべきです。

なぜかといえば、インデックスファンドへの積立投資などで実践するパッシブ投資は、割安か割高かは考えずに一定額を投資し続けるものだからです。

(3) フルポジは悪くない

現金を厚めに持つことそれ自体はあまりよいことではありません。

なぜかといえば、現金は何も生み出さないリターンゼロの最悪の投資先だからです。

何年も多額の現金を眠らせたままにしておくということは、その金を株や不動産といった他の投資対象に振り分けて稼ぐという機会を逸していることになり、機会損失が発生しています。

現金をあまり持たないフルポジ投資は、この機会損失がなく、その点で悪い投資ではありません。

(4) 現金を多めに持つのは割安株を狙うアクティブなバリュー投資家が大儲けするためである

現金を持つのは、前記(3)で書いた最悪の投資先である現金を持ち続けて機会損失を甘んじて受けることです。

その損失を負ってまで狙うのは何か。

それは、大幅に割安になった株を、その時が来たら大量に買えるようにしておくためです。

現金保有という機会損失を超えた大幅なリターンを狙うのです。

この現金を持っておくのは、そこそこのリターンではなく、大きなリターンを狙うためのものなのです。

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